『パンでPeace!』{1}
emily,『パンでPeace!{1}』,株式会社KADOKAWA,コミックアライブ(コミックキューン)(2015)
パンが好きな女子高生3人が放課後にパンを食べて会合する「パンでPeace!」という会に,主人公のみなみちゃんが加入し4人に.メンバーのおっぱい担当ふゆみちゃんのパン屋でおしゃべりしたりパン作ったりとそういう感じ.
まず,絵に関して言うとトーンは最小限に収まり,主線もかなり細めでメリハリもないので一見するとショボく見えるが,まあこれはこれで味があるような気がする.むしろふわふわぷにぷにした感じはこの路線が良いかもしれない.おかげで,登場キャラクターも全員触ると気持ちよさそうな肌質に見える.
多分この作者は幼女とかポチャ目な女の子が得意なのでは.
お話に関して言えば,最初の方で登場した主人公のお母さん(サンドイッチを作るのが得意(?))が後の話で全く出てこないし言及もされなかったり,主人公がたまに空気になってたり,たまによくわからないオチになったり,そもそもオチて無かったりする事が作中でかなり目立ってた印象ある.
あと,パン作ってる時マスクしてないのにペチャペチャ喋ってたのはちょっと本当に許せなかった.自分らで消費するならまだしも,お客さんからオーダーされたパンを作ってる時にもマスクしてない髪の毛もバンダナつけずにそのままというのはいかがなものかと.
加えて,一部登場人物に男を匂わせるような描写があったりしたのもちょっと気になった.処女オタク故にこのような描写は断じて許しがたい.
THE日常系という感じで,4コマの鉄則を無視しようが,時々普通のマンガを描いてみようが,2コマ目と3コマ目が繋がってたり3コマ目と4コマ目が繋がってたり(物理的に)しようが,もはやパンの話何も関係無いエピソードとかあったとしても,そんな事はどうでもいいから脳みそを溶かしてやると言わんばかりに,まるで水槽の中のめだかや小屋の中のうさぎやハムスターを見るかの如く平和な日常を覗き見るようなそんなやさしい世界がそこにある.
そういえばこれアニメ化するらしい.
おそらくコミックキューン誌ではじめてアニメ化する作品なのだが,これが先発でいいのかという不安と,テレビからこんなあたたかくゆるやかですばらしく何も変わらない時間の流るる日が訪れるという喜びの葛藤が渦巻く.
何はともあれ,今後どうなっていくのか気になる作品ではある.
百合度:★★☆☆☆
脳死度:★★★★★
イラスト:★★☆☆☆
ストーリー:★☆☆☆☆